冬になると膀胱のトラブルで来院するネコちゃんが増えてきます。
ネコはもともと尿が濃くなりやすく、冬場はあまり水を飲んだりトイレにも行きたがらなくなることが原因と言われています。
1日1でもきちんとトイレで排尿できていれば問題ないのですが、以下のような症状が出ていたら要注意です。
トイレに行ったきり長い時間しゃがんでいる
少量のおしっこしか確認できない
尿に血が混じる
上記は膀胱炎の代表的なサインです。
膀胱炎はなんらかの原因で膀胱粘膜に炎症がおこってしまう病気です。
炎症のせいで実際には尿がたまっていないのに、何度もトイレに行って気張っていることがあります。また膀胱に痛みが生じたり、尿に血が混じることもあります。
猫の場合その原因として以下のものが考えられます
膀胱結石 膀胱の中に小さな石ができているタイプ
膀胱の腫瘍 (まれ)
特発性 原因不明、ストレスなどによるもの(いちばん多い)
動物病院ではいくつかの検査を行って原因を調べていきます
尿検査(細菌がいるか、出血があるか、ストルバイトなどの結晶がでていないか)
レントゲン検査(膀胱や尿道に結石がないか)
エコー検査(膀胱粘膜の状態、結石やしこりの有無)
可能であれば尿を持参していただけると診断がよりスムーズに進みます。液体のままキレイな容器に入れてお持ち下さい。必要であれば採尿用のキットもお渡ししています。
膀胱炎は緊急度の高い病気ではありませんが、原因を調べてそれに応じて治療を行うことができます。一度病院にご相談下さい。
オス猫は要注意!それは尿道閉塞のサインかも!!
上記の膀胱炎の症状に加えて
吐いていてぐったりしている
半日以上おしっこがほとんど出ていない
去勢済み、未去勢にかかわらず男の子がこんな症状をともなっていたら緊急事態です!
男の子は女の子よりも尿道(尿の通り道)が細いため膀胱内でできた小さな結石や炎症のカスが尿道内に詰まってしまうことがあります。
尿が膀胱から出ていかなくなるので膀胱がパンパンになってしまい急性腎不全や膀胱破裂を引き起こし、命にかかわるケースもあります。
特に吐いたりぐったりしている場合には腎臓に影響が出始めているサインです。
尿道閉塞膀胱炎と尿道閉塞は症状が大変よく似ているため、様子だけでは判断ができません。
尿道閉塞の場合にはお腹の中でとテニスボールのように固くなった膀胱が触れます(無理に触ることは絶対にやめて下さい)
男の子の場合にはなるべく早く病院を受診するようにしましょう。
病院ではペニスから柔らかいカテーテルを入れて結石を膀胱に押し戻す処置を行います。
また血液検査で体への影響を調べたり、レントゲン検査で結石の場所を確認する検査を行いますが、腎臓の数値が高くなっている場合には入院治療が必要になるケースもあります。結石の種類によっては手術で膀胱から石を取り除きます。